NINIが巡る護衛艦撮影の旅

護衛艦撮影と、撮影で立ち寄った町のグルメや観光スポットを紹介する旅ブログ。

生まれ育った町の空で見た零戦に思う事

飛んでいる零戦を見たい

 私は「空を飛ぶ零戦」を見たことがありません。それどころか、「飛んでいるプロペラ機」に馴染みがない世代の人間です。それでも、昔から「生きているうちに空を飛んでいる零戦を見れたらいいな」と「なんとなく」思っていました。そしてそれは「絶対に叶わないだろうな」と思っていました。

 零戦は以前、龍ヶ崎飛行場で飛行展示をしたことがあると聞きました。もしもそのころ見ていたとしても、きっと覚えていなかったでしょうしそれが零戦であるとも分からなかったと思います。その当時の映像をネットで見て、「良いなぁ」と何度思った事か。いつか見れたらなぁ…でも、死ぬまでに見れるかな?そう思っていました。

 零戦を日本で飛ばすという計画があると知ったとき、「もしかしたら見る事が出来るかもしれない」と期待しました。鹿屋で飛ばした時に生放送を見て、「本当に飛んだんだ!」と興奮したことを覚えています。今でも動画を探して見返したり、撮りに行った方の写真を見たりしているほど嬉しかったです。

 日本で飛ばすことが出来るなら、いつか見る事が出来るかも…。そう、いつか。そのいつかがこんなに早く訪れるなんて、思っても居ませんでした。それも、自分が生まれて育った町の空で。本当に、驚いて…。

 

きっかけになった一機のプロペラ機

 昨日、仕事に行く前に聞きなれないエンジン音を聞いて空を見上げると一機のプロペラ機が空を飛んでいました。普段はP3-Cばかり飛んでいるので、静かで滑るように飛ぶ飛行機に衝撃を受けました。真っ白なお腹が綺麗で、足を止めてしばらく見とれてしまった程です。

 「そういえば今日はエアレースだったな」と思いました。その時まで零戦を見るのは諦めていたのですが、そのプロペラ機を見てなんだか気になってしまいました。仕事帰りにそのプロペラ機の事を思い出し、Twitterで検索をしてみました。機影は全然違ったけど、もしかして零戦だったりして!なんて思いながら。

 すると、零戦が地元の空を飛んでいる事が分かり、重い体を引きずって見に行く事にしたのです。あのプロペラ機の正体は結局不明のままですが、あの機影を見なければTwitterを開く事はなかったでしょう。

 本当に見れるとは思っておらず、「まぁ通りかかったら良いな」と思いながら待ちました。それらしき機影は突然現れ、豆粒のように見えたと思ったらすぐに大きくなり、カメラをズームにしたり機体を追っかけているうちに零戦は遠ざかっていきました。自分のすぐ目の前を低空で飛んで行く零戦は思ったよりも速く、美しく、なんだか現実だと思えなかったです。

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  普段船ばかり撮っているので航空機撮影に慣れておらず、機体は見失うしズームは間に合わないしで「撮るの下手すぎ」だと思ったのですが、零戦が去った後にカメラの画面を確認しようとして初めて自分の手がはっきりと分かるほど震えていることに気づきました。

 興奮していたのか、動揺していたのか、はたまた緊張していたのかはわかりませんが、ましゅうを前にしても震えなかった手がぶるぶると目に見えて震えているのを見て驚きました。そこで初めて「本当に零戦が飛んでたんだ」と思いました。

 もうこの時点で復路の零戦を「撮ろう」なんて思いは吹き飛びました。どうせ手が震えて撮れないからです。動画を撮りながら目でしっかり見ようと思いました。15分後に零戦が帰ってきたので、今度はしっかり目に焼き付けながら手を振りました。自分の頭のすぐ上を通り抜け、零戦は去りました。

 翼の下にある日の丸がはっきり見えるくらい、地元のP3-Cよりもずっと低く、零戦は飛んでいきました。なんだか映画を見ているようで、本当に零戦が飛んでいたなんて…という感じです。

 

初めてのDC-3を見送る

 そのあとDC-3を待ち、こちらも手を振って見送りました。往路はとても低く、本当に直情を通過したので綺麗な機体が良く見えました。DC-3は初めて見るし、存在自体も初めて知った機体ですが「鳥」のような美しい飛行機だと感じました。

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 復路日が少し傾いた雲間から差し込む光が当たって美しく、ゆっくりゆっくり目の前を通過して去ってゆきました。真っ白で、優雅で、白鳥のような飛行機だと思いました。ファンになったので今後も機会があれば見に行きたいと思います。

 

空を飛んだ零戦に思う事

 何と言うか、零戦自体に特に思い入れがあるわけでもないのですが…飛んでいる零戦と言うのは「特別」なのです。既に失われたはずのものが「飛んでいる」と言うのが美しいと感じるのか、映画の中で見た物が現実に起こっているという事が魅力的なのかはわかりませんが、零戦を見ていると酷く懐かしい気持ちになります。

 地元の空に「零戦が飛ぶ」のはもう一生無いことなのかもしれませんが、今日は時間が巻き戻ったような不思議な一日でした。地元で零戦に手を振るって、もう一生無いと思います。これで一番叶わないと思っていた夢が叶ってしまったので、次は飛んでいる若しくは水上でUS-2を見る事を目標にしたいと思います。